経済常任委員会委員長報告 

 経済常任委員会に付託されました事件について、審査した結果を御報告いたします。
 議案第  1号 平成18年度岩国市一般会計補正予算(第3号)
 議案第 18号 平成19年度岩国市一般会計予算
 以上2議案のうち、当委員会所管分は、慎重審査の結果、原案妥当と認め可決すべきものと決しました。
 議案第 10号 平成18年度岩国市観光施設運営事業特別会計補正
         予算(第3号)
 議案第 11号 平成18年度錦帯橋管理特別会計補正予算(第3
         号)
 議案第 12号 平成18年度岩国市市場事業特別会計補正予算(第
         3号)
 議案第 14号 平成18年度岩国市交通事業会計補正予算(第2
         号)
 議案第 28号 平成19年度岩国市観光施設運営事業特別会計予算
 議案第 29号 平成19年度錦帯橋管理特別会計予算
 議案第 30号 平成19年度岩国市市場事業特別会計予算
 議案第 53号 岩国市弥栄湖周辺施設条例の一部を改正する条例
 議案第 55号 岩国市農村公園条例を廃止する条例
 議案第 56号 岩国市美川大水車販売所及び美川大水車そうめん流
         し施設条例を廃止する条例
 議案第 77号 指定管理者の指定について
 議案第 78号 指定管理者の指定について
 議案第 79号 指定管理者の指定について
 議案第 80号 指定管理者の指定について
 議案第 81号 指定管理者の指定について
 議案第 82号 指定管理者の指定について
 議案第 83号 指定管理者の指定について
 議案第 84号 指定管理者の指定について
 議案第 85号 指定管理者の指定について
 議案第 86号 指定管理者の指定について
 議案第 87号 指定管理者の指定について
 議案第 88号 指定管理者の指定について
 議案第 89号 指定管理者の指定について
 議案第 90号 指定管理者の指定について
 議案第 91号 指定管理者の指定について
 議案第 92号 指定管理者の指定について
 議案第 93号 指定管理者の指定について
 議案第 99号 字の区域の変更について
 議案第100号 字の区域の変更について
 議案第101号 岩国市営土地改良事業の施行について
 以上30議案は、慎重審査の結果、原案妥当と認め可決すべきものと決しました。
 議案第 33号 平成19年度岩国市交通事業会計予算
 議案第 54号 岩国市交通事業の設置等に関する条例の一部を改正
         する条例
 以上2議案は、慎重審査の結果、否決すべきものと決しました。

 それでは、審査の状況について御報告申し上げます。
 議案第33号 平成19年度岩国市交通事業会計予算の審査におきまして、
 委員中から、このたびの当初予算には、交通局の分営化による新会社の設立経費が計上されているが、分営化という大変重要な案件について、どのような経緯を経て、今回の提案に至ったのか、との質疑があり、
 当局から、交通局においては昨年度から今回の分営化計画について検討を始め、幹部会議で、新会社として継続可能な体制のあり方についてを初め、収支面で負担の大きいコミュニティ循環バスや、新会社と交通局との間における事業の受委託について、協議を重ねてまいった。さらに、受委託の事業等を既に実施しておられる事業者への問い合わせや現地調査も行い、政策調整会議に諮った上で、今回の提案に至ったものである、との答弁がありました。
 続いて委員中から、新会社と交通局の双方における事業計画や収支計画は、どのようになっているのか、との質疑があり、
 当局から、新会社は、資本金9,000万円で、バスについては、交通局から合計14両を約2,700万円余りで譲渡を受け、交通局敷地内の局の施設を使用して、運営を始めたいと考えている。予定としては、本年6月1日に会社を設立し、バス運行の許認可を受けるに当たっては3カ月を要することから、バス事業については、10月1日からの開始を考えている。社員数は、本年4月1日現在の交通局臨時嘱託職員の予定人数である46名に加え、業務を引き継ぐ予定の交通局サービス公社の7名とその他営業や総務の担当を考慮すると、60名程度になることが想定される。新会社が営む事業については、乗り合い事業として、コミュニティ循環バス、高速バスを自主運行し、市内路線の一部を交通局から受託運行する予定としており、また、貸し切り事業として、当初は大型バス5台での運行を行うこととしている。そのほかでは、乗車券等の販売業務、施設等の維持管理業務、旅行取り扱いに関する業務、及び保険や広告の代理業務などの附帯事業も行う予定である。収支について、平成20年度から22年度において、分営化した場合の費用面を主に考慮して行った予測では、平成20年度はほぼ収支均衡となるが、平成22年度には、500万円余の黒字が見込まれるところである。交通局については、コミュニティ循環バス以外で、一部を除く市内路線と、貸し切りバス事業を新会社と並行して運行することになる。また、運行ダイヤの見直しや積極的な広報活動を展開して、利用促進を図っていく一方で、費用の削減のため、職員の会計間異動を初め、時間外勤務や車両燃料費等の削減により、合理化を進めてまいりたい。こうした取り組みによって、平成22年度には5,420万円、平成24年度では、さらなる正職員や時間外勤務等の削減により、6,100万円程度の赤字額の削減を行う計画となっており、当面、五、六年後をめどに赤字からの脱却を図りたいと考えている、との答弁がありました。
 これを受けて委員中から、交通局の臨時嘱託職員の全員が新会社に移行する計画となっているが、臨時嘱託職員にとっての利点としては、どのようなことがあるのか、との質疑があり、
 当局から、現在、臨時嘱託職員は1年ごとの契約更新となっているので、例えば家を建てるときの住宅ローンが借りられないというケースが実際に発生している。しかし、新会社では、基本的に60歳までは正社員としての雇用となることから、住宅ローンの借り入れが可能となる。さらに、中小企業退職金共済制度の利用により、退職金制度についても改善が図られる、との答弁がありました。
 続いて委員中から、将来的には、今の交通局の事業を新会社がすべて引き継いでいくことが考えられるが、コミュニティ循環バス等のサービスの維持・向上は図られるのか、との質疑があり、
 当局から、現在の交通局の体制では、コミュニティ循環バスの延伸は不可能であるが、新会社ならば、コストの適正化を図ることによって、可能となる。また、今後、市内の路線バスを再編成する上で、コミュニティ循環バスは不可欠であると考えており、その運営をしっかりと行える体制を構築することが、今回の分営化による新会社設立の目的の一つである。既存路線については、住民の足を確保する点から、維持することが基本であるが、現行のダイヤの組み方や路線経路について、再検証を行いたいと考えている。その実施に当たっては、地域住民の方々と相談しながら、丁寧な手順を踏んで行ってまいりたい、との答弁がありました。
 続いて委員中から、現在の交通局の体制で、職員が一丸となって、着実に経営努力をしていけば、分営化を行わずとも、手法によっては、十分に利益を上げることは可能であると考える。むしろ分営化により、新会社と交通局の両方において、経営を成り立たせるには、大変な労力を要することになることから、まずは今の交通局自体の経営改善を図るべきであると考えるが、分営化に関する根拠や見通しについて、どのように考えているのか、との質疑があり、
 当局から、現在の交通事業会計の赤字は、正職員の人件費の影響が非常に大きく、この費用が続く限り、今後も毎年1億円程度の赤字が発生していく。こうした現状に対し、直ちに分営化によって、コストを削減し、最適化を図る必要があると考える。仮に、交通局が全員臨時嘱託職員だとすると、6,000万円の黒字となり、全員正職員の場合は、2億7,000万円の赤字となる。このことから、いかに分営化が効果的であるかということが御理解いただけるものと考える。また、交通局から新会社に移る臨時嘱託職員は正社員になることで、非常にモチベーションが向上することが予想され、有能な職員の転職等による退職の抑制にもつながるものと考えている。逆に、交通局に残る正職員のモチベーションの低下が懸念されるところであるが、これに対しては最大のケアをしていく考えを持っている。いずれにしても、新会社と交通局がしっかりとスクラムを組んで、お互いに助け合う構図ができ上がれば、必ず成功すると確信している、との答弁がありました。
 本議案につきましては、討論において各委員から「交通局の分営化は非常に大きな問題であり、理想的な交通局をつくり上げるためには、しっかりと引き続き議論する必要がある。分営化が成功した場合、他の公営企業のあり方に対して、大きな影響を及ぼすのではないか。交通局と新会社の2本立てにした場合の方向性が見えない。分営化する前に、まずは交通局において、赤字脱却を図るべきであり、現時点では時期尚早。交通体系の変化により、新会社が赤字になった場合の対処方法等について不明確な点があり、さらなる検討を要することから反対」という意見と「現在の交通局の体系では、公共交通としてのサービス低下は避けられず、早急な行財政改革が求められる。新会社の概要や交通局の経営改善方針がきっちりと示されており、交通事業管理者が述べた成功への決意を信じる。分営化により、交通局の臨時嘱託職員は新会社の正社員となり、身分の安定が図られることから賛成」という意見がありましたので、挙手により採決いたしました結果、賛成少数で否決すべきものと決しました。
 次に、議案第54号 岩国市交通事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の討論におきまして、一部委員から「当面、交通事業管理者を置いて、まずは現在の交通局の組織をしっかりと確立すべきである。今の交通事業管理者の熱意のもと、より一層練られた改革案の再提出が望まれることから反対」という意見と「財政改革を推し進めていく上で、事業管理者の不設置は最重要であると考えるので賛成」との意見がありましたので、挙手により採決いたしました結果、賛成少数で否決すべきものと決しました。
 なお、そのほかの案件につきましては、特に申し上げるべきことはございません。
 以上で、経済常任委員会の審査報告を終わります。






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