平成20年岩国市議会9月定例会報告

平成20年9月定例会は、9月9日から10月3日までの25日間の日程で開催されました。議会開催中に諸般の報告10件、監査報告4件、報告1件、諮問2件、認定19件、議案22件、請願1件、議員提出議案8件が上程されました。


まず、平成18年3月20日の合併後、決まっていなかった新市の花と木の選定についての報告が当局よりありました。
岩国市市章等選定委員会では市民の皆さんからの公募を参考に検討、協議を重ね全会一致で市の花は「サクラ」(理由は、錦帯橋とともに親しまれ市内全域に広く見られるため)、市の木は「クスノキ」(理由は、岩国発展の象徴的な樹木で、岩国市も大木として発展してほしく、常に緑をたたえ、堂々としているため)を選定しました。


平成20年度一般会計補正予算関連では、6月定例会に続き9月定例会でも、平成20年度分の基地再編交付金を財源に、こども医療費助成事業の追加分6億5,889万5千円を子育て支援基金に積み立てています。
また、新たに妊婦・乳児健康審査強化事業として1億7,390万円を子育て支援基金に積立てるとともに、その上に平成20年度分の妊婦・乳児健康審査強化事業・川下及び平田小学校の放課後児童教室整備事業の経費が計上されました。
併せて、子ども達の安全を確保するために、市立の保育園、幼稚園、小学校及び中学校の耐震診断経費2億5,307万1千円を学校施設等耐震化基金に積立てるとともに、その上に平成20年度分の耐震診断経費と市立小学校へのAEDの設置経費が計上されました。議会は特別会計の補正も含め補正関連全般を慎重審議の上、全て可決しました。


次に、平成19年度一般会計決算を受け、岩国市監査委員による平成19年度岩国市財政健全化及び経営健全化審査意見が、次のように出されました。

(参考)健全化判断比率                         (単位:%)
実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率
岩国市 19.8 213.2
早期健全化基準 11.57 16.57 25.0 350.0
財政再生基準 20.00 40.00 35.0
◎実質赤字比率とは、一般会計等を対象とした実質赤字の標準財政規模に対する比率
◎連結実質赤字比率とは、全会計を対象とした実質赤字(又は資金の不足額)の標準財政規模に対する比率
◎実質公債費比率(3か年平均)とは、一般会計等が負担する元利償還金及び準元利償還金の標準財政規模に対する比率
◎将来負担比率とは、一般会計等が将来負担すべき実質的な負債の標準財政規模に対する比率

監査委員による審査意見

1審査の概要 
この財政健全化審査は、市長から提出された上記、健全化判断比率及びその算定基礎となる事項を記載した書類が、適正に作成されているかどうかを主眼として実施

2審査の結果
 (1)総合意見 
     審査に付された上記、健全化判断比率及びその算定の基礎となる事項を記載した書類は、いずれも適正に作成されているものと認められる。
(2)個別意見
@ 実質赤字比率について
平成19年度の実質赤字比率は、黒字であるので、早期健全化基準の11.57%と比較すると、良好な状態にあると認められる。
A 連結実質赤字比率について
平成19年度の連結実質赤字比率は、黒字であるので、早期健全化基準の16.57%と比較すると、良好な状態であると認められる。
B 実質公債費比率について
平成19年度の実質公債費比率は、19.8%となっており、早期健全化基準の25.0%と比較すると、これを下回り良好な状態であると認められる。
しかしながら、平成20年度地方債同意等基準に基く地方債発行の認可基準である18.0%以上となっているため、地方債の発行については、協議団体ではなく、許可団体となっていることから、実質交際費比率の適正化を図るための計画(公債費負担適正化計画)の確実な実施と、より一層の慎重な運用を要すると認められる。
C 将来負担率について
平成19年度の将来負担率は213.2%となっており、早期健全化基準の350.0%と比較すると、これを下回り良好な状態であると認められる。

(3)是正改善を要する事項
     特に指摘すべき事項はない。


同じく、監査委員から平成19年度岩国市市場事業特別会計外8特別会計経営健全化審査意見書が、次のように出されました。

(参考)経営健全化基準は、岩国市市場事業外8特別会計事業とも20.0%となっている。

特に岩国市市場事業の平成19年度資金不足比率は、経営健全化基準の20.0%と比較して1,746.7%となっており経営改善を要する。そのためには、市場使用料の適正化、事業の委託化、資産の有効活用、旧総合庁舎跡地の売却、一般会計からの繰出金の増額などの再検討が必要である。
その他の、8特別会計は資金不足を生じていない。



同じく、平成19年度岩国市交通事業会計経営健全化審査意見書が次のように出されました。

資金不足比率については、流動負債に対し、流動資産が大きく上回っている。したがって、経営健全化審査における資金不足は生じていない状況にあるため、経営健全化基準の20.0%と比較すると、良好な状態にあると認められる。しかしながら、平成19年度決算においては、前年度に引き続き収支が赤字となっているため、経営改善を要すると認められる。


同じく、平成19年度岩国市水道事業会計経営健全化審査意見書及び平成19年度岩国市工業用水道事業会計経営健全化意見書が次のように出されました。

資金不足比率については、流動負債に対し、流動資産が大きく上回っている。したがって、経営健全化審査における資金不足は生じていない状況にあるため、経営健全化基準の20.0%と比較すると、良好な状態にあると認められる。


同じく、平成19年度岩国市病院事業会計経営健全化審査意見書が次のように出されました。

資金不足比率については、流動負債に対し流動資産が大きく上回っている。したがって、経営健全化基準の20.0%と比較すると良好な状態にあると認められる。


以上の監査結果を受け、全ての決算を慎重審査の上可決しました。



また、9月定例会最終日に、議員提出議案8件が提出されました。

1岩国市議会政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例【全員賛成で可決】
提出理由・・・・地方自治法改正により、条文の整備を行うもの。

2岩国市議会議員定数条例【20対13で否決】
  提出理由・・・岩国市議会の定数34人を32人とするもの。
  否決理由・・・◎2人の減では財政改革につながらない。
         ◎広域化した岩国市、多くの意見を聞くためには現状でよいのでは。
         ◎突如、定数削減を提案するのではなく2年後の市議選を目指し、
          議員改革懇話会を設置して協議をする必要があるのではないか等。

3岩国市議会会議規則の一部を改正する規則【全員賛成で可決】
  提出理由・・・地方自治法改正により、規定の整備を行うもの。

4ミニマム・アクセス米の輸入に対する見直しを求める意見書【全員賛成で可決】
   提出理由・・・(概略)WTO農業協定においては、ミニマム・アクセス米として、毎年77万トンの米が我が国に輸入されている。しかし、国内の米生産は強い需給調整が必要とされ、農地は急速に遊休、荒廃化が進みつつあるという市場と矛盾した状況にある。
          こうした中、国際的に米を初め穀物の供給が逼迫し、価格が高騰するという食糧事情が急変するもとで、我が国が必要とする穀物を従来どおり輸入し続けることは不可能になりつつあり、今こそ食料自給率向上対策が求められる。

5地方財政の充実・強化を求める意見書【全員賛成で可決】
  提出理由・・・地方分権の推進、少子・高齢化の進行、産業・雇用対策、地球規模や地域レベルの環境保全需要、災害・事故に対する安全対策など、地域の行政需要が増大しており、地方自治体が果たす役割は重要になっている。

6地域医療を守る意見書【全員賛成で可決】
  提出理由・・・地域や診療科における医師の不足及び偏在、看護師を初めとした医療スタッフの不足の解消をめざす。

7生活品の物価高騰に対する緊急対策を求める意見書【29対4で可決】
  提出理由・・・原油や食料品の価格の高騰が続き、国民、勤労者の生活を直撃している。日本の景気はさらに減速しているという見方もふえ、特に生活困窮層にあっては、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されなくなる恐れがある。

8貧困の連鎖を断ち切り、市民生活を底上げすることを求める意見書【21対12で否決】
  提出理由・・・日本に貧困が急速に広がっている。労働分野、社会保障分野において、貧困を防止し、あるいは貧困から救い出す社会の仕組みがきちんと機能せず、人々の生存さえ脅かされている。


各常任委員会の審査状況については、各委員長報告をご覧ください。